虎之助の映画記

虎之助の映画記

虎之助の映画データベース

カリフォルニア・ダウン

カリフォルニア・ダウン, 原題: San Andreas, 主演: ドウェイン・ジョンソン

 サンアンドレアス断層震源とするM9.6の巨大地震がサンフランシスコを襲う。これを舞台にレスキューヘリ操縦士のスーパーマン(ドウェイン・ジョンソン)が、「24」のジャック・バウアーよろしく、娘を救出するために奮闘するハラハラどきどきのディザスター・アクションの娯楽大作です。家族像はアメリカン・ドラマのスタンダードな設定で、この家族愛をベースにストーリー展開するので、深く考えずに楽しめます(このストーリー展開を受け入れないと、ツッコミどころ満載なので深く考えないのが、吉)。

 見所は、地震によるサンフランシスコの破壊やパニックの映像・アクションシーンでしょうか。地震津波などの科学的考証もしっかりしているように思いました。30年前ならパニック映画の歴史的大作といってよいような出来栄えです。今だと他にも大作が沢山あるので埋没していまいますが、ディザスターものとしては佳作の一つだと思います。

 科学的考証ですが、M9クラスのサンフランシスコ地震の可能性は十分にあります。1700年にはM9クラスの地震があったとする産総研の研究もあるそうです。

 環太平洋域では、巨大地震が各所で起こっています。例えば、東日本大震災東北地方太平洋沖地震(2011年, M9.0)、スマトラ島沖地震(2004年, M9.1)、チリ沖地震(1960年, M9.5)、アラスカ地震(1964年, M9.2)、アリューシャン地震(1957年, M9.1)。マグニチュードは別として巨大地震の発生は、映画のいう通り「起こるかどうかではなく、いつ起こるか?」という問題なのだと思います。

 さて、この映画を見ると、どうしても思い出してしまうのは、東日本大震災津波に襲われた気仙沼・大船渡・陸前高田、海岸・福島原発を襲う大津波、横浜のビルの窓ガラスの落下など、嫌が上でも記憶が蘇ります。この記憶があるので、単なる娯楽映画として見られない方も多いのではないかと想像します。

 また、ビルの崩壊では、911テロの世界貿易センタービル(2001年)が強烈な印象として呼び起こされます。他にも韓国の三豊百貨店(1995年)、オクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件(1995年)、NZクライスト・チャーチ地震(2011年)などの映像を思い出してしまいました。映画を観ていたときには、あそこまで次々とビルが崩壊するかと疑問でしたが、サンアドレアス断層を調べてみると、もっと酷い状態になるのかもしれないと思い直しました。なんと、サンフランシスコは、サンアンドレアス断層の真上にあるんです。仮に地層が一気に何メートルも移動すれば、高層ビルなどはひとたまりもない、むしろ耐えられる方が不思議という気が今はしています。

 日本でも、関東直下地震や南海沖地震は、「起こるかどうかではなく、いつ起こるか?」という問題なので、他人事ではありません。

劇場で観た映画(2015) - 虎之助の映画記

好きな映画・見逃した映画 - 虎之助の映画記

2015/9/27