虎之助の映画記

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天空の蜂

天空の蜂
監督:堤幸彦
原作:東野圭吾『天空の蜂』
出演:江口洋介, 本木雅弘, 仲間由紀恵綾野剛

「天空の蜂」を観てきました。緊迫感溢れる映画で、楽しめました。綾野剛本木雅弘、かっこよかったです。ミッション・インポッシブルしちゃってるシーンもイケてました。

この手の設定の映画は、最近のハリウッド映画だとアクション・CGばかりに精力使って、社会性のあるメッセージがなくなる(わざと削る?)と思いますが、ちゃんと描かれています。



以下、ネタばれがありますので、ご注意ください。

気になった点を書いておきます。

1) 最初、三島(本木雅弘)の役柄が、よく分からなかった。

湯原(江口洋介)と旧知の仲と言うことは直ぐに分かるのですが、最初は刑事・公安・科技庁技官あたりかと思ってしまいました。原作は読んでいないですが、映画から推測すると、二人の関係は次のようなものでしょう。

まず、前提知識。軍用ヘリのメーカー錦重工業株式会社は、三菱重工がモデルです。この会社の愛知にある小牧工場では、軍用機を含む航空機を作っています。 堀越二郎( 宮崎アニメ「風立ちぬ」の主人公 )が、ゼロ戦を開発した工場は、この工場の前身と言っても良いでしょう。また、三菱重工は、原発も作っている会社です。

(推測) 二人は、同期入社の技術者で親友。湯原(江口)は軍用機開発、三島(本木)は原発開発に従事。若き日には、技術開発について熱く語りあい、結婚後も親しく家族付き合いをする間柄であった。 (その後は、映画をご覧ください) そして、軍用ヘリによる原発テロ事件が起こった。ヘリ開発責任者・子供の父として湯原(江口)が、原発技術者として三島(本木)が、事件現場に向かったのであった。

(映画紹介のストーリー概要をみたら、湯原はヘリ設計士、三島は原発設計士って書いてありました(汗))

2) ミサイルでの撃墜準備しないの?
 ここは、ツッコミを入れてはいけないところと思いつつ、気になって仕方なかった。
 高度が少なくとも100m以上ありそうなので、最後は、空対空ミサイル(あるいは地対空ミサイル)で攻撃すれば、空中で爆発する。戦闘機の墜落程度では致命的被害は受けないという設定なので、建屋被害は多少あるかもしれないが、致命的被害は発生しないはず(実際の原発は飛行機墜落は想定外。311の震災後に検討し始めましたけど、墜落を想定して対策せよとなると、殆どの原発は当面再稼働出来ないでしょう)。テロによる危機という設定や、最後のシーンとの兼ね合いで、そういうわけには行かなかったのだろうけど。

その他、湯原リモコンショボい、反原発プラカード掲げていないでさっさと逃げなさいなどなど、細かいことはいろいろありますが、それを差し引いても、楽しめる映画でした。

天空の蜂 (講談社文庫)

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2015/9/19