監督:是枝裕和。出演:綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず
鎌倉に暮らす4人姉妹の物語。映画を観ていて、何故か思い出したのが、谷崎潤一郎の小説「細雪」。大阪の4人姉妹の生活模様を描いた作品です。細雪は上流家庭の日常が雅に描写されるのに対して、こちらは鎌倉に住む決して裕福とは言えない家庭のお話です。4人姉妹ということもありますが、淡々と綴られる物語の描かれ方に何か共通性を感じたのでしょうか。
もう一つ。この映画のことを考えていて思い出したのが、小津安二郎の「東京物語」。やはり淡々と綴られる物語。大昔に観た映画なので、笠智衆が主演したということ以外は、ストーリーも何もほとんど記憶にはないのではありますが。
エンドロールを観ていたら、原作は漫画とのこと。原作も最初の2巻ほど読んでみました。エピソード、場面によってはセリフも、かなり忠実で、原作の雰囲気をよく表現しています。実写化でさらに描写が深まり、優れた作品になったという気がします。
母を演じた女優が誰なのか、最初分からなかったのですが、大竹しのぶでした。演技の幅が広いすごい役者さんですね。リリー・フランキー、樹木希林もいい味出してます。末っ子のすずを演じた広瀬すず、全然知らなかった女優さんでしたが、好演でした。次は「ちはやふる」の主人公・綾瀬千早を演じるようです。期待しています。
カンヌ映画祭出品作ということで、私には良さが分からないだろうと思っていたのですが、予想に反して楽しめる映画でした。
海街diary 1 蝉時雨のやむ頃 (flowers コミックス)
- 作者: 吉田秋生
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/03/05
- メディア: Kindle版
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
(追記) 是枝監督自身、「海街diary」では小津安二郎を意識していたそうです。カンヌでは、「小津の孫」と呼ばれたりすることもあるようですね。
鎌倉みたい? (@日向薬師)
2015/9/12